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『眠れる森の美女』原作をフランス語で読む その1

Bonjour ゆりかです。

前回の私の『美女と野獣』ブログに引き続き、
今回から『眠れる森の美女』La Belle au bois dormantを三回にわたりご紹介しようと思います。


画像:wikipedia.frより

ディズニー映画や絵本、バレエなどをはじめとして、
さまざまな形で目にすることができる作品ですよね。
運命の男性のキスによって長い眠りから覚める、という王道のロマンティックなお話です。

誰しも“いつか素敵な王子様が現れるのでは…”と淡い期待を抱いたのではないでしょうか?

私もこの作品にロマンティックな恋の物語といった印象を持っていたのですが、
シャルル・ペロー(Charles Perrault, 1628-1703)が書いた
原作La Belle au bois dormantを初めて読んだときに、
ロマンティック要素は一体どこに?!と拍子抜けしたことを覚えています。

そういう訳で、ロマンティックというよりも、
むしろツッコミどころ満載な物語なのでは…と今では感じているのです。
そんな作品の中から3つの場面を抜粋し、再来週にかけてご紹介します。

今日はまず、物語冒頭の洗礼式Baptêmeでのシーン。
単なる誕生のお披露目会ではなく、洗礼式というのはさすがカトリックの国フランスですよね。

映画などで“悪の魔女マレフィセント”として知られる仙女(Fée)が原作にも登場します。
(ですが、原作では悪というよりも、年老いた仙女と表現されています。
王女にかけた呪いのイメージが強烈すぎて“悪の魔女”と認識されるようになったのでしょうね…)

この魔女はひとりだけ洗礼式、披露宴に招待されませんでした。
なぜなら、彼女はすでに死んでしまったと、他の七人の仙女たちが勝手に思い込んでしまったから。

連絡をとりあって、彼女の生存確認をすることはできなかったのでしょうか?
あるいは、試しに招待状を送って様子をうかがうこともできたはず…?

誰だって自分の存在を勝手に亡き者にされたら、怒りたくなりますよね。
七人もいるのだから、 “確認しようよ”と提案してほしかったものです。

仙女たちのしきたりによって、生まれたばかりの王女にはありとあらゆる幸福や美点が贈り物として与えられます。
王族というだけでも十分恵まれているのに、さらに付与されるなんて…
羨ましいものです…(笑)

さて、怒り心頭な魔女は、その怒りの矛先を幼い王女への呪いという形で表します。
そう、皆さんがご存知の“糸車の針に指を刺して死んでしまう”という、例のあの呪いです。
怒っていたわりに、案外地味な呪い!!と私は思います。

死んでしまうというのはちょっとやり過ぎですが、針で指を刺すって…
チクッとして終わりですよね。
うーん。なんだか気性が激しいのか、そうではないのか…。


皆さんはこのシーンをどんな風にとらえますか?
次回は別のシーンをご紹介します。楽しみにしていて下さいね!


*参考図書*
1)『完訳 ペロー童話集』(岩波文庫)
2)Charles Perrault, Contes (le livre de poche)

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DATE : 2019.11.09