フランス人である私が日本で暮らすようになってから、
“街”というコンセプトをあまり感じなくなった、いや、変わってきたように思います。
まず、ひとりのフランス人として、“街”は、田舎との境目をはっきりと感じさせます。
そんな風に考える私が、東京から京都へ新幹線で向かった際に、
窓からの眺めにとても驚いたことがありました。
ずっと続く建物に、これは街なのか、それとも田舎なのか・・・?
フランス人として、 “旧市街”がある街は、遠い昔の雰囲気を存分に感じることができ、
また、何世紀もの時代を経て残る色とりどりの家々で仕切られている小道を散策することのできる典型的な場所といえます。
ほとんどは古代の都のなごりがその周辺へと広がり、現在の街の姿を形成しているといえるでしょう。
日本の家屋のほとんどが木造であるのと異なり、
フランスでは、建物が石で造られているものが多く、
火事で消失する危険性も少ないこともあり、長い間姿を変えずに残っているのです。
次に、にぎやかな中心地のある“街”というは、一般的には他よりもにぎやかで様々な商業が発達しています。
日本では、少なくとも東京では、そのような場所はほとんどが駅の周りにあるため、
東京にはたくさんの“中心地”があると思います。
それか、東京とは、本来はこのような小さな“街”の集まりなのに、
便宜上“東京”と一まとめで呼んでいるのでしょうか・・・?
私にとっての“東京”という街の特徴が何だか分からなくなってきてしまいました・・・・
フランスと日本の“街”について、他にも違いがあります。
きっと日本に長くいらっしゃる皆さんはほとんど気にかけることがないかもしれないので、分からないかもしれません。
それは電線です。電線は私達の頭上に広がるジャングルです!
日本ではすっかりお馴染みの風景になってしまっています。
フランスでは地中にあるため、めったに目にすることがありません。
そしてもうひとつ・・・東京で、ある住所を尋ねようとすると、フランス人にとっては地獄そのものです!
なぜならまず、フランスでは、“シャルルドゴール通り”や“レピュブリック大通り”など、
どの通りにも歴史上の著名人や出来事の名前がついています。
そして、番地は通りをはさんで奇数と偶数でわかれているので、住所を見つけるのが比較的簡単ですが、
日本ではそういう訳にはいかず、とても難しいのです。また、場所によっては特徴がみられる場合もあります。
例えばニースでは、
海岸に対して垂直にのびる通りは、海岸から近い方から番地がスタートするんですよ。
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