日本人の中には、フランス滞在中の経験として、
“フランス人は冷たかった”とか“感じが悪かった”という感想を持つ人がいます。
もちろん、そのようなフラ ンス人はいると思いますが、
文化の相違がそのような誤解を生んでいるかもしれません。
フランスでは、イニシアティブをとって自分自身で行動することに慣れています。
日本人がフランスへ行くと、
日本人だからといってフランス 人があまり相手にしないと感じる人がいるのではないでしょうか?
それは、日本人だからという理由ではなく、
ひとりで勝手に好きなようにするだろう・・・と考えているからだと思います。
それにフランスには多くの外国人が暮らしていて、
生活しているフランス人自体もそれぞれ出身地が異なるので、目の前にいる日本人がカメラを首から提げてい るとかブランド品の高価なバッグを持っていない限りは、
彼らがいわゆる“日本人”であるということを意識していないと思います。
そんなことで、フランス人 は“日本人”ということにあえて意識していないため、
言葉が理解できないとか、助けを必要しているというところまで考えないのです。
“フランス人は日本人に親切でない”と感じてしまうような状況はたくさんあるかもしれません。
でも、それはただ文化の違いが招くものだと思います。
こんな例があります:日本では、おつりとレシートは、両手でプレートの上に出されることがよくありますが、
フランスでは、この光景を一度も見たことがありません。
同じよう に名刺は片手で手渡されることがほとんどですが、決して無礼な態度ではありません。
それがフランス風のスタイルなのです。
日本では、名刺を渡す際に“よろ しくお願いします!”といいますが、
フランスでは特に決まったスタイルはなく、何を言っても問題はありません。
フランス風の名刺交換を、日本の方なら少しぶっきらぼうに感じてしまうかもしれませんね。
フランスでは、使う言葉や対人関係の中でもっと自由があるように思います。
もし、この“自由”に慣れない日本人がいると、尊敬されていないとか無視されているように感じてしまう危険があるかもしれません。
フランスの文化をよく理解するためには、まず考え方や行動の仕方に違いがあるということを知る必要があります。
新しい文化を発見するときに、面白くそして興味深いと思うのは、いつもの“当たり前”が、実は文化によって全く異なることがあるということです。
“フランス”というと、ファッションや料理や芸術などの面がメインになっていることが多いように感じることがありますが、
別文化を理解する上での基本となる考え方や世の中の見方を考えた上で見てみると、
新たな発見ができて楽しさも増えると思います。
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