『星の王子様/Le Petit Prince』の著者、サンテグジュペリ Antoine de Saint Exupéry は、 1944年7月に戦争でパイロットとして亡くなる前、ある将軍宛に手紙を書きました。
そこにはサン=テグジュペリの名言がたくさん含まれています。
この手紙は日本ではあまり知られていませんが、とても貴重な内容ですので、何カ所か 抜粋したものを日本語で日本人スタッフ達と一緒に翻訳したいと思います。
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 10回目
Ça m’est bien égal d’être tué en guerre.
戦争で殺されることなど、私にとってはどうでもいい。
De ce que j’ai aimé, que restera-t-il ?
私の愛したものの中で、何が残るだろう?
Autant que des êtres, je parle des coutumes, des intonations irremplaçables, d’une certaine lumière spirituelle.
人に関して言えば、それは慣習や置き換えられない抑揚であり、また、精神的輝きのようなものであろう。
Du déjeuner dans la ferme provençale sous les oliviers, mais aussi de Haendel.
それは、田舎の農場にあるオリーヴの木の下での朝食であり、ヘンデルの音楽でもある。
Les choses, je m’en fous, qui subsisteront.
実在してゆくであろう物事のことなど、私にとってはどうでもいい。
Ce qui vaut, c’est certain arrangement des choses.
大切なことは、物事においての、ある秩序である。
La civilisation est un bien invisible puisqu’elle porte non sur les choses, mais sur les invisibles liens qui les nouent l’une à l’autre, ainsi et non autrement.
文明は目に見えぬ財産である。なぜなら、文明の対象は物事ではなく、物事をひとつひとつ結びつける目に見えない絆であるからだ。それ以外は考えられない。
Nous aurons de parfaits instruments à musique distribués en grande série, mais où sera le musicien ?
大量生産で割り当てられた楽器が完璧に揃っていても、音楽家はどこにいる?
Si je suis tué en guerre, je m’en moque bien.
戦争で死ぬことなど、私にとってはどうでもいいことだ。
Mais, si je rentre vivant de ce « job nécessaire et ingrat », il ne se posera pour moi qu’un problème : que peut-on, que faut-il dire aux hommes ?
しかし、もし私がこの「必要であるがやりがいのない仕事」から生還できたら、ただ一つの問題だけが私に提起されるであろう。それは、我々は人に対して何を言うことができ、何を言わねばならないのか、ということである。
続く…
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 1/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 2/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 3/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 4/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 5/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 6/11
知られざる星の王子様のサン=テグジュペリの手紙 7/11
星の王子様サン=テグジュペリの名言 8/11
星の王子様サン=テグジュペリの名言 9/11
星の王子様サン=テグジュペリの名言 10/11
星の王子様サン=テグジュペリの名言 11/11