ブログ

Blog

ブログ記事

福岡正信さん

今年、亡くなった方ですが、すごい日本人を紹介します。
私の好きな日本人のベスト10に入る人です!

「ロハス」の思想や活動が日本に伝わって、逆に日本語の「もったいない」という言葉や精神が世界へ発信されるようになったのは最近ですが、
それよりも前から自然と人間が共生し続けるために出来ることを実践し続けていた人です。
自然農業家として世界中で知られている福岡正信(享年95歳)さんです。

よく言われていますが、彼のスタイルは、日本語のことわざにもある“温故知新”という表現にぴったりです。
古きを訪ね、新しきを知る・・・・古くからの日本人の農業には知恵があって、そこに福岡さん特有のアイディアが加わり「自然農法」と呼ばれていました。

福岡さんの農業は、耕さない、除草しない、肥料を与えない、農薬を使わないという、普通の人が考えたらちょっとびっくりするかもしれません。

wara 米作りの除草にはクローバーを使ったり、多種の作物を組み合わせることで農薬を使わないで済むような方法を実践していました。
世界中が注目した福岡さんの「自然農法」のひとつは、“粘土団子”。
これは土を丸めて種をその中に入れ、撒くというもので、この農法で乾燥地帯を農地へと広げた実績があります。
こうした功績で1988年にアジアノーベル賞と言われるマグサイサイ賞を受賞しました。
そのため、彼の書物はたくさんの国々の言葉 に訳されています。

残念ながら、彼の農業に対する考え方、そして実践の仕方は、
農業を“ビジネス”として考えている人たちの一部には大きな邪魔になっていたので、それは彼にとって大きなプレッシャーになったと思います。実際、彼の畑などが壊されたこともあります。

いつか日本はアメリカ化を目標にすることをやめて、自分たちの素晴らしい文化の基礎に基づくことに気づいたら、福岡さんのしてきたことが大いに役に立つに違いありません。
こんな、福岡さんのような“オリジナル”な日本人は、フランスではとても評価されています。


DATE : 2008.10.22