Bonjour ゆうこです。
当ブログで連載していたサン=テグジュペリの手紙はいかがでしたか?
ところで、サン=テグジュペリといえば「星の王子さま」が有名ですね。
ご存知の方も多いと思いますが、原題は “Le petit prince”。 直訳すると「小さな王子」「小さな君主」というようになりますが、“星の”をつけた事で物語を知らない人でもイメージが膨らむよいタイトルだなと感じます。
同じように原題とは異なるけれど、記憶に残るタイトルをフランス文学の中からいくつか探して見ました。
★「噫無情(ああむじょう)」Les Misérables
こちらは直訳すると、「みじめな人々」「哀れな人々」ですが、日本語の語感が良いですよね。子どもの時に少年少女文学全集「ああ無情」を読み、その後原題を知った時、Les(定冠詞複数形)は ”ああ”だと子供心に思ってしまいました。なんだかとっても嘆いている感じがすると思いませんか。当時は無情が何かもよく理解していなかったかもしれませんが、意味より音で印象に残るタイトルです。
余談ですが、有名なシャンソン「オ・シャンゼリゼ」のオ(aux:場所を表す前置詞+定冠詞)も、私はずっと感嘆詞の“おぉ!”だと思っていました・・。
★「十五少年漂流記」Deux Ans de Vacances(二年間の休暇)
これも少年少女文学全集で読みました。そして今回調べて初めて原題を知りました。
二年間の休暇・・・このタイトルで日本語訳されている本もあるようです。タイトルが違うと印象がぐっと変わりますね。
★「巌窟王」Le Comte de Monte-Cristo(モンテクリスト伯)
完全に創作ですね。でもいかにもドラマティックです。「噫無情」と同じく黒岩涙香訳。
この方の訳は翻訳というより翻案というくらい内容を日本人に合わせて変更してしまっている部分もあるそうで、現代の著作権などを考えるといろいろ問題がありそうですが、明治時代に海外の文化をいかに紹介して普及させるかの必死さが伝わります。
★「うたかたの日々」L’Écume des jours
原題通りの「日々の泡」としても知られています。
単語の意味はそのままですが逆にして訳していますね。雅語を使う事でより儚げな印象を受けます。翻訳の違いで内容への理解も大きく違うだろうなと思います。
★「悪童日記」Le grand cahier(大きなノート)
戦時下の国を舞台にした双子の少年の物語。その文体と、冷めた目線で世界を見ている少年たちの描写はもうまさに”悪童”の”日記”です。
作者は冷戦時代にハンガリーからスイスへ移り住んだ女性です。母語でない事も関係しているかもしれませんが、ドライに簡潔な文体で書かれているのでフランス語の原文でも読みやすいです。
文学を原文で読むのはハードルが高いと感じる方もいるかと思いますが、タイトルだけ見ていても結構楽しいものです。皆さんも色々探して見て下さいね。
※画像はすべてamazonより
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