Bonjour フレッドです。
7月14日はフランス革命 (La Révolution française) の記念日となっています。
この日はすべてのフランス人が喜んでいると思われるかもしれませんが、決してそうでもないです。
革命や共和国 (La République) という政治制度?イデオロギー?それとも宗教?
を反フランスのものとして今でも見ているフランス人はそんなに珍しくはないです。
写真はこちらの記事から
写真はこちらの記事から
今回のブログでは、フランス革命や共和国(フランスを統治する政治制度)が、
一部のフランス人にとって、とても反フランス的なものとして見られていることを少し紹介します。
このブログだけでこの問題について語るのはまず無理ですが、
このような問題が存在するのだ、ということを知ってもらうだけでも、より現在のフランスが理解できるでしょう。
まず客観的に、且つシンプルに言うと、人によって“フランス”の意味は異なります:
フランス=フランス共和国
または、フランス=共和国なしのフランス。
ここで、気づいた人がいるかもしれませんが、フランスの政治家のスピーチを聞くと、
“フランス”という単語より、“La République”という単語の方がよく使われています。
これはたまたまではないです。
そのようなスピーチを聞いて、政治家はフランスより共和国の方が好きだと思う人もいるかもしれません。。。
写真はこちらから
また、“フランスの価値観”よりも“共和国の価値観”という表現を毎日のように耳にします。
共和国者(Les Républicains)という党がありますが、今回の記事で“共和国”という単語を使う時は、
共和国者党だけを意味するのではなく、共和国という政治制度やイデオロギーを良いと考えている党(つまりすべての党)を意味しています。
フランス革命前の政治制度は君主制でした。
しかしこのブログでは、”反共和国”という表現は、君主制擁護者だけを指すのではなく、
単に反共和国の考えを持つ人を指しています。
写真はこちらから
現在、フランスやヨーロッパでは共和国支持のグループは圧倒的に多いし、
政府はもちろん、メディア (les médias mainstream)や教育機関などもほとんどが共和国派です。
しかし、自分を共和国派として見ている人の多くは(たぶん95%)、その共和国の本当の意味(その政治制度の結果を含めて)を深く理解していないと思います。
なぜなら、共和国の起源やフランス革命の起源などを実際に、客観的に調べた人は少ないからです。
学校で言われたこと、覚えたことをなんとなく(いいイメージで)覚えているくらいです。
また、仮に完璧に覚えているとしても、それは客観的な考え方からの教えではなく、あくまで共和国派の学校で共和国派側からみたことを教えられ覚えただけにすぎません。
なので、フランス革命やそのイデオロギーの現在に至るまでの強大な影響力(日本や日本人の生活にまで及んでいる)に気づいている人は少ないですが、そういった人達は確実に増えています。
特に若者の間では、とても増えています。
写真はこちらより
フランス革命について、ほとんどのフランス人は、
“フランス王による独裁政治制度に対し国民がデモ・革命を起こし、自由を得た”(人は君主制 = 独裁制という風に間接的に教えられているから)、
“暗い世界から、明るい世界に入った”、
“フランス革命までの理性に基づいていない宗教的な考え方から、科学的で理性的な考え方へと変化した”、
などと、学校で教えられたイメージを持っています。
学校だけではなく、雑誌、新聞、テレビにおいて、フランス革命はとてもいいイメージを持っていますが、
フランス革命より以前に書かれた本を読んだことがある人なら、革命前の時代は決して反啓蒙主義的、 反科学的、反理性的ではなかったことをご存知でしょう。
ちなみに、次のホームページには古い本が山ほどあります:
https://archive.org/
また、君主制は独裁制度ではありませんでした。
”自由・平等・兄弟愛“(=フランス標語の一部。近いうちにフランス標語についても書きます。)は元々違う意味を持っていましたが、革命者はこの3つの概念に別の意味を与えました。
1789年にフランス革命が起きた時でも、ほとんどのフランス国民は王様が好きで、尊敬していたと言っている歴史の専門家や作家がいます。
フランス革命は結局、国民のためではなく、ブルジョワ階級のためだったと言う歴史家が多くいます。
フランス革命は当時のフランス国民が本当に起こしたかどうか、
また、フランス国民にとって良い出来事だったのかどうか、などを知るために、つまり真実の歴史を知るために、
勝利した側の話や本だけでなく、負けた側の話にも耳を傾ける必要があるのではないでしょうか?
そうしない限り、専門家として失格だと思います。
そして、両方の話をしっかり聞いてようやく、どちらが正しいのかがやっと判断できるかもしれません。
私は、フランスは共和国の政治制度・イデオロギーに占領されていると考える人達の話、理屈、考え方を聞きました。
それにより、私の持っていた共和国や革命についての良いイメージは180度変わりました。
例えば、一つだけ例を挙げると:
フランス革命が起きた後、革命者により何万人もの人が殺されました。罪のない人も子供も。
特にLa Vendéeというフランス地方では大虐殺が起きました。
それは子供の時、学校では教えてくれませんでした。
30万もの人が殺されたという歴史の専門家もいます。
フランス革命後、la Républiqueという政治制度は継続し、現在は5番目となりました。
しかし、表面的に変わっても、イデオロギーの根っこは変わらないと私は思うようになりました。
だから、私はフランス人だからこそ、7月14日はお祭りの日として考えていないです。
何十万人の罪のない人が残酷に殺されたのですから喜べません。
フランス革命や共和国の本当のところについて、もっと知りたい方は“探せば見つかる”ですね。
共和国の政治制度の本当の顔を知るために、近いうちに、フランス革命や共和国の標語やEUについてさまざまな視点から記事を書きますので、それらも読んでいただければ、フランス革命についてのイメージが変わるかもしれません。
そして、自分の好きなフランスがもっとはっきりするかもしれません。
最後に、パリでは7月14日の夜、消防士による“Bal des pompiers / 消防士によるダンスパーティー”が催されます。
彼らの仕事場へ人々を招き、明け方までダンスをするのです。
シャンゼリゼ大通りにパレードを見に行くなら、毎日がんばっている消防士の方達にあたたかい拍手を送ってあげてください!
2020年1月追記:ポルトガルでも革命派との戦いがありました:
https://www.a-la-francaise.com/blog/jacinta-marto-fatima1/
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