カルディの杏仁豆腐にドハマりしている、ゆりかです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末に公開された映画『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』
(原題L’Incroyable histoire du Facteur Cheval)はご覧になりましたか?
今回はこの作品の紹介…ではなくて、
作品の舞台となったシュヴァルの理想宮Le Palais idéal du facteur Chevalについて
ご紹介しようと思います。
公式HP
観光スポットのひとつにもなっているので、すでにご存じの方もいるかと思います。
完全に手作業だけで作られた、石造の建造物です。
気になった方は、【le Palais ideal cheval】と入力して
Google先生に聞いてみてください。
それはそれは荘厳な写真がたっくさんヒットします!
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オートリヴHauterivesという小さな村で
郵便配達員して働いていたフェルディナン・シュヴァル(Joseph Ferdinand Cheval)が
たったひとり(!)で作り上げました。
(彼の苗字chevalは、普通名詞だと”馬”を意味します。)
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前妻に先立たれ、一人息子も親戚たちによって無理矢理、都会の奉公へ連れていかれてしまい、孤独になってしまったシュヴァル。
その後、再婚し生まれた一人娘アリスを喜ばせるために、日々の仕事の合間に休むことなく黙々と作り上げていきました。
元々、寡黙で必要最低限の会話しかしない人物だったため、
周囲の人々は「シュヴァルさんは良く分からない、変わり者だ」と考えていました。
そんな変わり者の彼が石を組み合わせてヘンテコな城を作り出したので、
人々は口々に「とうとうあの人はおかしくなってしまったんだね…可哀想に…」と噂し、
ばかにしました。
きっと人知れず、心無い中傷に心を痛めていたことでしょう…。
しかし、彼はただひたすら“この世で一番美しくて幸せな城”を目指して石を積み上げます。
やがて、この“風変わりな石の城”の噂が各地に広まりました。
というのも、シュヴァルは当時の建築技術などは用いず、全くのオリジナルな手法で建てていたからなのです(!)
映画では、「風や鳥たちの声を聴けば、作り方を教えてくれる」とシュヴァルは周囲の人々に話していました。
凡人のわたしには、いまいち理解できません…
作業が着々と進んでいるものの、一人娘アリスが不治の病に倒れ、この世を去ります。
溺愛していた娘の死に極度のショックを受け、一時は作業を辞めてしまいます。
しかし、完成を心待ちにしていた娘のことを思い、再び石を組み始めます。
石の城を作るきっかけとなった“つまずきの石”を発見し、
作業開始から約33年間(!)という長い年月を経て、彼と彼の娘の理想の宮殿が完成しました。
わたしも留学中にリヨンから日帰りで、電車&バスで見に行ってきました!
オートリヴが村であることに加え春休み期間だったので、宮殿行きのバスは一日に3本しか走っていませんでした…
しかも時間の間隔がなんとも微妙だったので、朝4:00に起き、5:30頃に出発する電車に乗ったことを覚えています(笑)
当日は雨が降っていたこともあり、いざ宮殿を間近で見たときは、その迫力に思わず恐怖心を抱いたほどです。
制作者シュヴァルの思いが滲みでているかのような…
でも、どこか穏やかな雰囲気も漂っています。
彼の迸る、熱い思いが溢れ出ているのだと思います。
彼にとって、あるいは彼の娘にとっての理想idealとは一体何だったのかしら…
と思いを馳せてみたりなんかしています。
都心からかなり離れているので、気軽に行ってみるのが少し難しいかもしれません…
が!一生、記憶に残る体験になること間違いなしです!
リヨンに行かれる際には、ちょっこっと足を延ばしてシュヴァルの理想宮も見に行ってみてくださいね!
ではでは、A bientôt!
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