最近、久々にDVDを借りてフランス映画を何本か観ました。
その1本が数年前にフランスで公開された「愛しき人生のつくりかた」です。
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パリとノルマンディーのエトルタを舞台に、3世代にわたる、とあるフランス人家族の物語です。
長年の連れ添いを亡くし老人ホームに入ることを余儀なくされるおばあちゃん、
定年を迎え夫婦間に心のすれ違いが生じるその息子夫婦。
そしてパリで学生生活を送る家族想いの一人息子。
こう書くとありがちな家族のドラマの様ですが、観終わった後にとても温かい気持ちになり、
よくあるフランス映画とちょっと違う気がするけどなぜだろう…?と考えてしまいました。
フランス映画に限らないことかもしれませんが、映画というと何かと暗いテーマになりがち。
離婚や犯罪、問題を抱える若者等…
この作品も老人介護の問題や家族・友人の死など、日常にある問題を取り上げていますが、何かが他と違う…
見終わった後、どうしてこんなに清々しいんだろう…
単純な事でしたが、私の思うその答えは、この作品に出てくる家族が“仲良しで愛し合い、敬い合っている”ということではないかと。
そして、映画でありがちな“(あまりお手本にはしたくない)若者”ではない、誠実で優しく穏やかなこの大学生の息子が、
そんな大好きな家族を見守っている姿が映画の印象を大きく変えているのかな、と。
家族それぞれのお互いへの愛情が、遭遇する困難に向き合い乗り越えていく事を支えている―
なんともシンプルで基本的な事なのですが、通常、ドラマではそこをややこしくさせたいもの。
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この映画はそんな家族の絆を軸にしつつ、パリやノルマンディーの美しい景色、
そしてフランスの日常にありがちなドタバタも垣間見る事が出来ます。
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原作はフランス人作家のLes Souvenirs(想い出)という小説です。
映画を観終わって久々に勉強を兼ねて(?)フランス語でこのお話を読んでみたいと思い、早速購入してしまいました。
映像や絵が目から入ってくることも楽しいですが、活字を読んで物語に入っていくのも楽しいものです♪
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